旅行日:2025/6
ここでは中国の短期旅行で準備したことをまとめます。
アプリの登録だけでも相当時間がかかるので、できるだけ早めに準備した方がよいです。
とても面倒なので、ツアーで楽を買うのも一手だと思います。
(任意)中国旅行用スマホ
「中国を数日旅行するだけ、次はたぶんもう行かない」という方は手持ちのスマホで十分だと思いますが、今回は2週間旅行ですし、絶対再訪するに決まっているので、思い切って中国渡航用スマホを用意することにしました。中国のためだけにiPhoneはもったいないので、Androidを購入。もちろん中華製!
セキュリティ、気になりますね。盗聴・情報流出されている前提で使用します。普段はネット接続しなければよいでしょう。
中国旅行で使うアプリのみをインストールします。普段使っているアプリ(各種メッセンジャー、決済・銀行・クレカ等)はインストールせず、普段使いのスマホを持参しないので旅行期間中は使いません。デジタル・デトックスのいい機会!と前向きにとらえます。
中国語入力キーボードの設定
「简体中文(手写)」のキーボードを追加しておきましょう。ピンイン(発音)を知らなくても見よう見まねで指で文字を書くと中国本土の文字が記入できるので重宝します。
(任意)Googleアカウントを準備
AndroidでPlayストアからアプリをダウンロードしたい場合は必須です。
もしGoogleアカウントを持っていなくても、Webから中国のアプリストアサイト(应用宝など)にアクセスしてアプリをインストールすることができます。ただしGoogle Playプロテクトが発動するので、インストールするときだけオフにする必要があります。
念のため、日本にいるうちにPlayストアからダウンロードをできるだけ済ませ、中国渡航後緊急でインストールするときだけ应用宝などからダウンロードするようにした方がよいでしょう。
中国回線のeSIM(国際ローミング可)を準備
ずばりメリットは、中国の電話番号があればVPNなしでGoogleが使えること。
情報漏洩を気にされる場合は、新しく中国渡航用にGoogleアカウントをとっておいてもよいでしょう。
絶対にインストールすべきアプリ4選
Google Playストアからダウンロードできます。未設定の場合ダウンロード時に支払方法を聞かれますが、すべて無料なのでスキップでOKです。
各アプリの手順は実際に2025年に操作したときのものですが、細かい順序や名称は変更になることが想像されますので、実際の画面に従って下さい。
Alipay(支付宝 Zhīfùbǎo)
QRコード決済アプリ。英語、日本語対応。中国語しか出ない画面も所定のボタンをタップすれば自動翻訳できます。
地下鉄・バス(別途市内移動の登録が必要)やDiDiも使えます。
これは必須!Alipayがないとかなり面倒です。
逆に言えばAlipayと百度地図(後述)だけあれば概ねなんとかなります。
【1.アカウント作成】
プライバシーポリシー同意→電話番号を登録→サービス規約・プライバシーポリシーに同意(2回)→SMS認証(中国回線使用で日本で設定する場合国際ローミング必須)→国を選択→ロケーションの共有設定(中国移動後に設定すればOK)
お好みでログインパスワードを設定してもよいでしょう。
【2.本人確認】
マイページ→歯車マーク→アカウントとセキュリティ(Account and Security)→個人情報(Identity Verification)→国・パスポート写真情報を記入→パスポート原本の撮影orアップロード→審査
【3.クレジットカード登録】
支払パスワードの設定→カード情報の追加→利用確認
VISA、mastercard、JCB、Diners、Discoverで、日本発行の銀聯は登録できません(2025年現在)。
支払うときはトップ画面「スキャン」からQRコードを読み取るか、自分のQRコードを提示して読み取ってもらいます。
WeChat同様に、200元以上は海外発行クレカ手数料3%がかかります。1回3,000元、月間50,000元が上限です。
Baidu(百度地图) Bǎidù dìtú
地図アプリ(中国版Google maps)。タクシーも呼べる。中国語のみ。
右下メニュー「我的」→「一键登录」(ワンクリックログイン)→電話番号を登録→規約に同意→SMS認証
「驾车」(ドライブルート)「公共交通」などをタップし、ピンインか手書きで入力して検索するとルート・乗換案内がでてきます。
ここで「打车」(タクシー)をタップし、乗り場を確定するとタクシーが呼べます。値段の目安も出てきます。
電話番号を登録しなくてもルート検索はできます。
应用宝 Yìngyòngbǎo
アプリストア(中国版Google Playストア)
アプリではありませんが、念のためブラウザにブックマークしておきましょう。
https://sj.qq.com/
よく覚えていませんが、一度アクセスしたら勝手にアプリが登場したような気がします。。
百度翻译 Bǎidù fānyì
翻訳アプリ。音声翻訳もできます。
翻訳精度は正直Googleの方が上。
Playストアにはありませんので应用宝からダウンロードしないといけません。
中国の電話番号がない場合は、Google翻訳をVPNなしで使えなくなるため念のためインストールしておいた方がよいでしょう。
中国国内を鉄道移動するならインストールすべきアプリ1選
Trip.com
OTAアプリ。高速鉄道(中国版新幹線)の予約に便利ですが、手数料がかかります。日本語可。
14日より前から予約はできますが、確約されるのは14日前になります。
バス予約は若干あやしいのであまりおすすめしません。
日本発行のクレジットカードで決済可能です。
短期旅行の鉄道予約だけであればTrip.comが最も便利。
铁路12306と携程旅行(Ctrip)は在住者やマニア向け。
インストール後、Googleアカウントなどでログイン→会員プロフィールを更新(名前、生年月日)
電話番号も一応登録。
チケット予約時にパスポート情報・名前・メールアドレス(Trip.comが予約を送ってくる)・クレカ情報を記入。
購入後、車両・座席はアプリ上で確認できます。
変更や取消もアプリ上でできるので便利です。
会員ステージによっては鉄道の変更手数料免除になったりします。
【実際に高鉄に乗る場合】
実際に列車に乗る場合は、紙の切符は不要で、パスポートがあれば乗れます。
(手順)
駅入場時有人カウンターでパスポート提示
→セキュリティチェック
→クラスにより異なります
<ビジネスクラス>
大きな駅の場合はラウンジがあるので、そこに向かう。食事はないので食べたい場合は先にすませてから行く。
入るときにパスポート提示。番号札を渡され、出るときは番号で呼び出されるが、外国人とわかると呼びに来てくれた。
<ビジネスクラス以外>
ホームの「非居民身份证通道」または「人工通道」などと書かれたゲートに並んでパスポートスキャン(係員がいる)
→指定の車両・席に乗る
→到着後も有人カウンターを探しパスポートスキャンして駅改札から出る
あったら便利なアプリ
WeChat(微信)/WeChatPay(微信支付)Wēixìn zhīfù
メッセージアプリとQRコード決済のアプリです(中国版LINE・中国版paypay)。
メッセージアプリをインストールすればQRコード決済もついてきます。
英語、日本語対応。使い方にややクセあり。
メッセージアプリでは自動翻訳設定可能。翻訳精度は低く、Google翻訳通さないと意味不明なことも多いがおおまかな意図はわかるかも。
正直WeChatは登録が大変なので、短期滞在ではAlipayを主に使い、WeChatしか受け付けていないようなところは現金払いすればいいと思います。
チベットはWeChat優位でしたが、観光客が行くところはAlipayも使えたので、あまり気にしなくていいと思います。
【1.アカウント作成】
「モバイルで登録」→ユーザー名・地域(国番号)・電話番号・好きなパスワードを記入しサービス規約にチェック→プライバシーポリシー同意→画面認証(表示された文字をタップ)→他のWeChatユーザーにQRコードか電話番号を認証してもらう→SMS認証を送信(なぜかデフォルトで香港の番号になっていましたが、中国の番号でした)→「通知の送信をWeChatに許可しますか?」を選択
認証は別のユーザー(実質的に普段から使っている人)にしてもらう必要性があり、ややハードルが高いです。
[QRコード認証] (以下の人だと登録完了が早くなる)
・アカウントが登録されてから6ヶ月以上経過していること
・Weixin Payが3ヶ月以上有効化されていること
・過去1ヶ月以内に他のユーザーの登録認証を手伝っていないこと
・過去6ヶ月間にアカウントがロックされていないこと
[電話番号認証] (以下の条件必須)
・6ヶ月以内にWeChatにサインアップした
・WeChat Payを有効にした
・過去1ヶ月以内に他のユーザーを認証していない
【2.クレジットカード登録】
「自分」(右下メニュー)→「支払いとサービス」→「ウォレット」→「Bank Cards」→「Add a Bank Card」→カード番号入力・Bank Type(発行銀行またはクレカ会社)を選択(銀行名に紛れてVISA、JCBなどがあります)→有効年月・CVV入力→User Service Agreement and Privacy Policyに同意→Weixin Pay(WeChat Pay)の支払パスワードを設定→再確認
【3.本人確認】
「自分」→「支払いとサービス」→「ウォレット」→「ID Info」(下)→「Verify Now」→支払パスワード入力→IDタイプ選択(パスポート)→名前・性別・パスポート番号・発行国を入力(パスポート発行日・有効期限・住所・職業はoptional)→電話認証(国番号・電話番号を入力し「Get Code」をタップし、送られてきたコードを入力)→パスポート原本の写真をアップロード(カメラで写しているうちに読み取れると自動処理。撮影操作は不要)→顔認証(自分の顔をカメラで写し、指示に従う(口を開けろとかまばたきをしろとか)。自動処理され、撮影操作は不要)
200元以上は海外発行クレカ手数料3%が元でかかります(国際クレカの場合は3%足した金額を円換算)。
支払限度額は1回6,500元、月間50,000元、年間65,000元まで。
Paypayのクレカ決済と同様で、チャージせずクレカ利用が可能です。
本人確認は「ウォレット」→「ID Info」→「Real-name Authentication Status」が「Verified(***A)」となっていれば完了です。
DiDi(滴滴出行) Dī Dī chūxíng
タクシーアプリ(中国版Uber)。英語、日本語対応。
AlipayからDiDiに入れるため、短期滞在の場合わざわざ別にインストールする必要はありません。
また、日本で使えるDiDiと中国版はアプリが異なるので注意。
電話番号を入力してアカウント作成→左上三本横棒マークから下記を登録
お支払方法→「クレジットカード決済」からクレカ情報を登録
設定→アカウント情報→名前を入力(ひらがなと書かれていますがローマ字も入りました)
支払方法にはPayPay、現金・その他(車内決済)も選択できますが、中国専用スマホの場合はクレカ払いが良いと思います。
Uber等と同じく、位置情報をONにして、行き先を指定して、支払方法を確認して呼び出せばOKです。
日本でも使える場所があるので、エリアに住んでいる方で配車アプリが初めての方は練習してみてもよいと思います。(但し、日本ではタクシーアプリの場合流しのタクシーより高くなる可能性があります。練習代ということで。)
大众点评
中国版食べログ。
短期滞在では使う必要はないものと思います。
レストランの評価は百度地図でも出てくるので、評価を知りたいだけなら益々インストール不要です。
なのでここでは省略します。
高德地图
地図アプリ。短期滞在では百度地図があれば十分。
ここでは省略します。
铁路12306
高速鉄道(中国版新幹線)の検索・予約アプリ。手数料なしで予約できます。
メアド認証があるのでGoogleメールだと中国本土で設定する場合VPNが必要。
英語版あり(機能は少ない)。
予約ができるのは14日前から。
プライバシーポリシーに同意→右下メニュー「Me」→Register→パスポートスキャン→入力データ確認・ユーザーネームとパスワード設定・メアド記入・規約とプライバシーポリシーに同意→メアド認証
パスポート認証がうまくいかなかったので使用はあきらめました。
携程旅行(Ctrip)
OTAアプリ。高速鉄道(中国版新幹線)の予約に便利ですが、手数料がかかります。中国語のみ。
14日より前から予約はできますが、確約されるのは14日前になります。
AlipayやWeChat Payで払えるので在住者には便利。
プライバシーポリシーに同意→右下メニュー「我的」→「登录/注册」(ログイン/登録)→電話番号を入力→規約に同意→SMS認証
続いて、アカウント認証画面→「仅限中国港澳台及海外人士」(香港、マカオ、台湾、海外の人専用)→护照认证(パスポート認証)→好きなパスワード6桁→パスポート情報入力(名前、パスポート番号、有効期限、国、生年月日)・規約同意チェック→パスポート画像をアップロード→翌日までに認証される
パスポート認証は1時間もかかりませんでした。
美团 Měi tuán
デリバリーサービスアプリ(中国版UberEats)。
短期滞在では不要でしょう。
ガイドブックをどうするか問題
日本で出版されている某有名ガイドブックを持っていたら当局に没収された・・・という話がネット上に出ていました(2025/2/27 産経新聞記事「地球の歩き方」中国で禁書扱いか 2019年にチベットで没収報告、外務省は把握せず)。
記事要約
・2019年5月チベット自治区の陸路国境でX線検査による書籍チェック後没収。
・中国入国審査時に、日本人旅行者が没収されたり別室送りとなったなどの報告が出版社宛てに複数あり。
・出版社は、審査時のトラブルに巻き込まれた際は「話し合いで解決できる余地は一切ない」と指摘し、「入出国手続きの際は本書を目に触れないところへしまっておくことを勧める」としている。
・外務省はこうした事案を把握していない。外務省海外邦人安全課は「あくまで一般論」と前置きした上で、「軍事施設や原発関連施設周辺で旅行者が地図を広げるなどした場合、国家の安全保障上の観点から身柄を拘束されることはあり得る」と注意喚起。
この手の話は個人的手持ちで一番古い「北京 天津(’10~’11)」(P.327)や「大連・瀋陽・ハルビン(’10~’11)」(P.301)にすでに書かれており、「書類の記入例などは、該当ページをコピーしたり、切り取ったりして書類記入時の参考にするよう対処してください」とか「万一、トラブルが発生した際には、最寄りの日本国大使館や領事館にご連絡ください。」などと書かれています。(「上海(’10~’11)」では見つけられませんでした)
10年以上前から見聞きしていたので個人的には何をいまさら感がありますが、こういったことが恐らくまだ本当にあるのでしょうから気を付けないといけません。
個人的にはそもそも本は重たいので長らく持参していません。電子書籍はネットにつながないと見られませんが、中国に安全なネットはありませんのであまり勧められません。
となると、必要なページをコピーして持って行くorスキャンしてスマホに格納がいいかなと思っています。見どころやレストランの解説文はあった方が楽しめますが、地図はスマホで十分です。
準備ができたら走 zǒu
アプリの設定は面倒ですが、Alipayや百度地図は本当に便利です。
準備ができたら張り切って走(zǒu)(行こ)!
※「行きましょう」は「走吧」とか習いますが、聞いた限りではそんな上品な表現をしている中国人は見かけませんでした。。