※徐々に加筆・修正します。
旅行日:2025/4~2025/10
日本を代表する8人のクリエイターがプロデュースしたというシグネチャー・パビリオンのレビューです。
8個もある。。
テーマは「いのち」。それぞれの切り口で展開しています。
一部予約なし入場可のところもありますが、どれも予約必須。
2ヶ月前予約、7日前予約、空き枠抽選でもとれなかったら当日登録にかけるしかありません。
◇シグネチャー・パビリオンに囲われた「いのちパーク」では15分間隔で約3分間霧が噴射され、一瞬このように真っ白になります。

Better Co-Being

【一言でまとめると】アート体験
(注意)事前にスマホアプリの登録が必要です。
宮田裕章氏プロデュース。
テーマは「いのちを響き合わせる」。
唯一の屋外パビリオンの中を、村田製作所によるエコーブという「共鳴」するバイブを持って歩きます。
予約観覧
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
エントランス(インストラクション)
仮屋根の下の椅子に座ってエコーブを受け取り、インストラクションを受けます。
急な当日登録だったので、スマホアプリの登録が必要ということを知らずやってきてしまいましたが、係員の方が親切にいろいろ教えてくださりなんとかセットアップ。
次に、エコーブを前後左右に動かして動作確認を行います。振動しているだけなのですが、「3Dハプティクス」という技術で誘導される感触があります。胸に当てると心拍数と連動するようで、エコーブが自分と「一体化」したところで出発です。

シークエンス1 人と人の共鳴
階段を上って最初のアート作品へ。階段エリアのみ、エコーブを耳元で揺らすとポヨポヨと音がします。
階段を上ったところにあるのは赤い糸でおなじみ塩田千春氏作「言葉の丘」。真ん中に誰も使わない机と椅子があり、ここからの「つながり」を糸で表現したもの。文字が隠れていますが、万博の7つのテーマを様々な言語で表現しています。いろいろな国の人とのつながりを表現しているわけですね。
机の周囲も7つのエリアに分かれていてしばしの自由観覧。エリアをまたぐとエコーブが振動しテーマカラーが変わり、アプリの解説の画面が自動で変わるのを楽しみます。


シークエンス2 人と世界の共鳴
次は宮島達男氏作「Counter Voice Network -EXPO2025」というアート作品。
スロープ沿いにスピーカーが仕込まれていて、10から1までさまざまな言語でカウントダウンが流れています。1のあとは静寂なのですが、新たな始まりを表していて、いのちの尊さや未来への余白を感じさせるとのこと。
なんとプロジェクト公式サイトで万博の後の展示用にボイスサンプルを募集しています。


シークエンス3 人と未来の共鳴
最後は宮田裕章 with EiM作 Embracing Diversity「最大多様の最大幸福」。
約400本のサンキャッチャーに約15,000個ものクリスタルが取り付けられていますが、人がみんな違うようにすべて異なるクリスタルの付き方をしているとのこと。ここではエコーブから水が滴るような音が聞こえてくる仕掛け。
ミストがでてきて水滴の反射でクリスタルがキラキラと輝きます。他の方のブログでは虹が出たこともあったようですが今回は出ず。
このキラキラにより、『未来社会のビジョンを共に見つめ、「多様性と調和」を尊重するBetter Co-Beingのあり方を実感する』ということでした。


エピローグ
最後は隣にある球体へ。これまでのアート作品に対して感じた思いが色となって球体に映し出され、最終的に一つのテーマカラーとなる
アプリでアートの振り返りを終了してでてくる色のついた光の玉を球体に向かってスワイプし、色を球体に移します。スワイプして画面に投げ込むのは「未来の都市」のミライシアターと同様です。


最後に、参加者全員にWellness Energyという「水」「栄養」「酸素」をテーマにしたグッズ(大塚製薬)が配られました。ポカリスエット的な飲み物、ミルク味の栄養パウダー(水に溶かして飲む)、ケンフェロール含有西洋わさび葉抽出物加工食品(謎)の3つです。
トートバッグは色のバリエーションがあるようですが、球体の色に合わせているようです。


万人受けというよりは、現代アートに興味がある人向けという印象。
青空美術館のようで、個人的には斬新で面白かったです。
いい印象なのは天気が良かったのもあるかも!?
作品の説明をしてくれますが、マイクを使わないので聞きたい方は係員の近くにいた方がよいです。「Counter Voice Network -EXPO2025」や会場アナウンスが結構うるさいです。。
夜の自由観覧
後日更新。1時間待ち、20時前に列打ち切りでした。
いのちの未来

【一言でまとめると】君は自然死とアンドロイドどっちを選ぶ!?
石黒浩氏プロデュース。
テーマは「いのちを拡げる」。
弱ってきた老婆がそのまま死ぬかアンドロイド化するか選択をする過程をみて、いのちのあり方について考えるパビリオン。
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
まず骨伝導デバイスを受け取ります。パビリオンではずっとオーディオガイドの音を聞くことになり、基本的にパビリオン内には声は流れていません。


Zone1 いのちの歩み
土偶、埴輪、仏像、能面、文楽人形といった「人のかたちをしたいのち」から、最後はアンドロイドまで並んでいます。
日本人がモノに命を宿してきた歴史の展示です。


Zone2 50年後の未来 A Life in 2075 (2075年の、ある人生)
家族のスナップ写真が壁に掛けられたエスカレーターで2階へ向かうと、メインとなる2075年の社会の展示になります。
最初の部屋では、ロボット然としたアンドロイドが家族のムービーが流れるスクリーンを見ながら手を叩いたり涙をぬぐったりします。このゾーンを通して老婆と孫の女の子のやりとりが続きます。
スクリーンが開くとアンドロイド「ペトラ」が御一行様をご案内。元NHKアナウンサー有働由美子氏が声を担当しているそうです。
電車を模した席が並んでおり空席に観客が座ります。端にアンドロイドが一体(このころには「一人」と言うのでしょうか)いて、背景に流れる車内の会話では学校の先生がアンドロイドだなどと言っていました。


老婆がアンドロイドに治療相談。
次の部屋では自然死するか、アンドロイドになるかの選択を考える場面となります。
そしてこれまでのまとめとなるムービーが流れます。


Zone2最後の部屋では、唐突にマツコロイドが登場。ロボット然としたアンドロイド2体と会話をしています。
75年間もこのままなんだけど今更イメチェンするのアリかと問うと、アンドロイド2体が適当にいいですねとか言うので、あんたたち責任取っていろいろ教えなさい、などという会話でした。

Zone3 1000年後のいのち
円形に囲んで見るアンドロイドによる音と光のショー。からだの制約がなくなった1000年後のいのちの姿とのこと。
ショーが終わると、パネル説明があり記念ステッカーを一ついただけました。


アンドロイドを間近で見られるいい機会でした。
映像では愛情溢れるおばあさんだったのでアンドロイドになるのもよさそうでしたが、実際には権力者が利用しそうだなとか想像し未来を案じることもよいでしょう。
いのちの遊び場 クラゲ館

【一言でまとめると】自由観覧エリアは幼稚園。予約エリアでは踊ろう!
中島ちさ子氏プロデュース。
テーマは「いのちを高める」。音楽やお祭りを通して盛り上がろうということだと思います。
参加にあたり感覚とノリは必要です。
自由観覧エリア「いのちのゆらぎ場」
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
スロープを上って最上部へ。途中で水が流れるエリアがありました(土と水のカーテン)。
途中にあるエノキダケのようなもの(上の写真)は「振るーと」というオブジェで、鈴の音が鳴っていたようですが鈴が盗まれてしまいました。その後どうなったのでしょうか。。
広場にでると吉野杉でつくられた創造の木とペットボトルでつくられたクラゲがお出迎え。


広場ではいたるところにいろいろなものが並んでいます。
ピアノや世界の楽器、ごみでできたパイプオルガン、音と数学がコラボした角命、プニプニの音触など。
その場に居合わせた人とのセッションを楽しめます。


楽器が弾けなくても、モニターで音楽を奏でることもできます。
クラゲWAVEではクラゲに音が割り当てられていたり、ごちゃまぜオーケストラではカードをかざすと音が流れる仕組み。


外にはクラゲ日時計がありました。撮影日時は16:52ですが、合っているかな・・・?

予約エリア「いのちの根っこ」
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
2フロアに分かれています。まずは「わたしを聴く」。ここは撮影不可でした。
真っ暗な空間で椅子に座って、流れてくる音に耳をすませます。
水滴やノイズが鳴っていて、時折薄いライトがついたりします。
単に地中というわけではなく洞窟にいる設定で、こうもりがとんできたり、ベトナムのお祭りの音も聞こえていきました。
さらに下におりると「わたしを祝う」。
スクリーンにくらげが映し出されるので、手でなぞるようにすると映像のくらげが反応します。
そしていよいよ本編。生演奏(実際は音源と合奏)がはじまります。
曲線、くらげ、世界の風景が流れた後、音楽がひと段落し、世界の祭りの映像が360度のスクリーンに映し出されます。まずお祭りの様子の音がいくつか短く流れますが、その合間は生演奏でつなぐというおしゃれ演出。


やがて世界中のお祭りで踊ったり演奏したりする人がスクリーンに映し出され、ジャジーな音楽はどんどんテンポアップしていき、参加者は立ち上がり急激にテンションを上げてスクリーン沿いを約2分間踊ることになります。振付などはなく、自由気ままに動けるのがいいところ。
最後は一斉にジャンプでおしまいです。


音楽を通じて作る喜びをみんなで共有するというコンセプトのようです。
それ自体は今の時代の万博っぽいように思いますが、パビリオンよりはイベント(Matsuri、ポップアップステージなど)向きなのかなと思いました。
最後の踊りは短い時間でしたが楽しかったです。
null²
ダイアログモード
後日更新
インスタレーションモード
インスタレーションモードは当日登録で参加できます。
アテンダントの方に聞いたら、内容はダイアログモードの後半と同じとのことでした。
ウォークスルーモード
後日更新
いのち動的平衡館

【一言でまとめると】ライトショー
福岡伸一氏プロデュース。
テーマは「いのちを知る」。
なぜいのちは終わってしまうのかを考察します。
入館に当たり注意事項がありましたので下の写真をご確認ください。

パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
クラスラのインスタレーション
外観はぐにゃっとした感じの印象的なデザイン。柱が一本もなく、かなり興味深いデザインです。
中に入ると円筒形の「クラスラ」を囲み、電飾ショーがスタートします。32万個の光の点滅はかなりきれい。
ただのきれいなショーではなく、細胞やDNAのイメージなどが映し出されます。
人類は利己的な行動で地球に負担をかけているが、本来生命体は利他的であるというメッセージです。

プロデューサーからのメッセージ
「動的平衡」とは、輪っかの片方が崩れて、それより遅いペースでもう片方から合成する場合、しばらく坂を登り続けるという状態。生命に置き換えると、合成の方が遅いため輪っかが徐々に短くなるので、やがて死ぬという話。
死もいのちをつなぐ利他である、という結末でした。

何より15分で終わるのでとてもイイ!
内容が難しくて子供はポカンだと思います。電飾ショーはきれいなので、そこは楽しめると思います。
映像で見るとわかりやすいので、大人ならなるほど納得という話でした。
日本語のほか英語も流れるので外国の方にもおすすめです。予約がとれればですが・・・。
いのちめぐる冒険

超時空シアター・ANIMA!
【入場方法】事前予約・当日登録
【入場】予約時間枠にQRコード読込
【実際の待ち時間】読込後即入場
【実際の所要時間】超時空シアター:受付開始時刻から50分、ANIMA!:受付開始時刻から30分
宇宙の窓
【入場方法】自由観覧
【入場】列があれば並んで入場(QRコード不要)
【実際の待ち時間】20分
【実際の所要時間】10分
【一言でまとめると】食物連鎖で食われて、捕食者のいのちになる(合体)。
河森正治氏プロデュース。
テーマは「いのちを育む」。
「超時空シアター」「ANIMA!」は予約制。「宇宙の窓」はウォークイン。
「ANIMA!」は床振動あり・なしがありますが、同じ部屋で振動する部分としない部分が分かれているので、あまり気にしなくてよいと思います。
超時空シアター「499秒 わたしの合体」
部屋自体撮影禁止です。
白い円形の部屋に入り、壁際の椅子に座ります。30人しか入れないので、結構スカスカです。
かごに荷物を置いて、使い捨てのVRゴーグル用不織布マスクをつけてからVRゴーグルを装着して準備万端。
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
まず水のような球体が現れ、手で触れるとポヨポヨいいます。これはテストと思われ、本編中に参加者がアクションすることはありません。
「わたしは誰?わたしって何者?私はどこから来て、どこへ行くのか」というナレーションでスタート。
海の中にいると魚に食われて食道の中へ、次はカツオドリに食われて食道の中へ、今度は海上でさらに大きい鳥に襲われて墜落、一旦ARになって部屋の中央で鳥が骨になり、木が生えてきます。
ここで1曲目「ワカンタンカ」スタート。
再びVRになり、木の根っこから地上へ、白い胞子が飛んでいます。
スケルトンの人の肺の中に入り、スケルトンの木が出ては血管に入り、くらげが赤血球のようなものになったり、魚になったり。
魚がまとわりつく黒ずんだ青、赤、緑の人型が歩いていて、手が黒い胞子となって溶けだします。
花びらにミツバチがいるシーンが唐突にでてきて、人型が倒れて大量の花びらが黒くなり、その上を別の人型が歩いているのですが、赤黒かった太陽が青くなって、人型が崩壊します。
「たくさんの命とともに今がある」というナレーションがあり、2曲目「499秒」スタート。
骨やいろいろな小さな生き物が降ってきて、動物が右から左に、細胞、血管、DNA螺旋の中を走っていきます。
太陽系が突然出てきて、ARになり、館外にあるオブジェ「創造の源」が中央で回転し、焚火が登場して散ります。
「さあ、奇跡の星に戻りましょう」というナレーションで終了。
音楽は菅野よう子氏、ナレーションは坂本真綾氏。歌は1曲目は葉音氏、2曲目は中島愛氏でした。
英語の発音は芝居がかったナレーションや歌だからか、かなり聞き取りづらいです。
ANIMA!
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
床振動ということですがNTTと同様で、バイブしたかな?くらいの強さなのであまり心配はいらないでしょう。注意書きからも「激しく」が消されています。

暗い部屋に入ると、カーテン状のものがたくさんぶら下がっていました。
白いタイルが振動するようなので、その上に立ちます。
練習でジャンプするように言われるのでみんなでジャンプすると、チャパチャパという音と共に、カーテン状のものに魚の映像が流れます。
いよいよ本番。まずはムービーで捕食者がやってくるという映像。ネコ科と思われる猛獣に食べられて食道を通過してしまいます。その後は細胞になり、血液になりといった感じです。
そんなムービーを見て5分くらい経つと、突如妖怪のようなキャラクターがテトリスのように降ってきて、急にジャンプの時間になります。
数回ジャンプした後、たくさんの動物たちが走っていったと思ったら、唐突に「ANIMA!」の文字が出ておしまいです。




ジャンプしているときにTシャツにひっかけていたサングラスを落としたので、荷物は全部しまった方がよいでしょう。暗すぎて落とし物が見つけにくいこともあるかも。そういえばANIMA!では荷物置き場はありませんでした。
また、正面からでないと映像が見づらかったのは残念です。
宇宙の窓
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
映像は太陽や、万博会場前の海にすむ小さな生き物たちのミクロの世界の映像などが流れます。
超時空シアターの499秒は太陽の光が地球に届くまでの時間で、今温かいと感じるということは太陽と自分が合体したということ、だとしたら自分の一部は499秒前太陽だった・・・とか、小さな生き物たちは魚などに食べられていつか自分と合体するかも・・・とかいうポエティックなショートムービーです。
最後は24時間前から1時間前までの太陽を早回しで見せてくれます。



映像は2種類あるようなのですが、入替制なので見ることはできませんでした。
館外展示
館外にも小さな展示があります。


オシ強女係員に勧められて「絶滅危惧茶」なるものをいただくことに。日本の奥地で古くから伝わるお茶で、生産者の減少や環境変化で「絶滅危惧」なお茶だそうです。ラテ1,200円にしましたが、渋さはなくあっさりしていて飲みやすかったです。ラテ感薄めなのでお茶の味もわかります。


演出の関係で、あまり子供向けではないパビリオンだと思いました。
「超時空シアター」のVRは、他のVR使用パビリオンと比較してもきれいで迫力があったのでおすすめです。ただ、アニメを見るだけで、内容もわかりにくいのが多いので、万博でこれを見てどうなのかという疑問はあります。世代のファンの方にはよいでしょう。
「宇宙の窓」は1時間前の太陽を見られて感動。
EARTH MART

【入場方法】事前予約・当日登録
【入場】予約時間枠にQRコード読込
【実際の待ち時間】読込後即入場
【実際の所要時間】受付開始時刻から40分
【一言でまとめると】食育
小山薫堂氏プロデュース。料理の鉄人やくまモンで有名ですね。
テーマは「いのちをつむぐ」。
食事を通じて生きているということを再認識します。
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
オープニング・ムービー
「ITADAKIMASU」ののれんをくぐると、暗い空間にスクリーンがありムービーを鑑賞。
とてもおいしそうな白米を食べる松本潤氏の映像です。ここだけ撮影不可。

いのちの売り場
ムービーが終わると広い空間に様々な展示が置かれています。
天井のイワシは3000匹と言っていたかな。いちばん食べられているので、いちばん多くのいのちを支えているということを表しています。


一生で食べる卵(日本は28,304個)と、それで作った目玉焼きのオブジェはお見事。


はかりにカゴの物を置くと、食に関するクイズが出てきます。
たとえば「140L」「5g」「1%」などとでてくるので、シンキングタイム5秒で考えると、答えが表示されます。
↓答えとその他のクイズ(ネタバレ注意!クリックで表示)
140L:1杯のコーヒーのために使われる水の量
5g:ミツバチが一生かけて集める蜂蜜の量
1%:カカオの実ができる確率
その他にも・・・
水道水を安全に飲める国は12国
米一粒から実る米の量は500粒
牛の赤ちゃんと比べた人間が飲む牛乳の量は7倍


大きなカートは日本人10年分の食べ物の体積を表したもの。
レシートは、世界の家族の一週間分の食糧。スーダンのは見慣れない食材が並んでいます。
「一食入魂」の書は小山氏によるもの。




未来の売り場
最新のフードテックや食の可能性などを展示するエリア。
すきやばし次郎のエアー握りや、火加減や調理技術を完全再現する「録食」の紹介など。



子供が想像した未来のお菓子を実際に作ってしまったコーナー。
国旗グミはおもしろそう!国旗飴とかもいいかも。


日本らしい食材が並ぶコーナーの奥には、2050年に味わえる梅干し、その名も「万博漬け」。
味わうにはここでもらったチケットを持って行く必要があるので、なくさないようにしなければ!
その前に健康で生きていないとですね・・・。


エンディング・ショー
最後の部屋に入ると、テーブルにプロジェクション・マッピングでメッセ―ジが映し出されます。

食育パビリオンですが、大人でも子供でも楽しめる内容でした。
シグネチャーの中では(今のところ)最も万博を熟知した内容と構成だったと思われます。
11時に観覧し終わった後すぐランチしたのですが、いつもにも増してありがたくいただきました。
Dialogue Theater -いのちのあかし-

【入場方法】本館:事前予約・当日登録、別館:自由観覧
【入場】本館:予約時間枠にQRコード読込、別館:列があれば並んで入場(QRコード不要)
【実際の待ち時間】本館:読込後即入場 別館:待ちなし
【実際の所要時間】本館:受付開始時刻から45分 別館:15分
【一言でまとめると】一般人の与太話と分断VTR
河瀨直美氏プロデュース。
テーマは「いのちを守る」。
来場者から選ばれた2人のフリートークを聞きながら、内省しないといけない難易度の高いパビリオン。
建物は廃校の移築
廃校となった奈良県十津川村立折立(おりたち)中学校と京都府福知山市立細見小学校中出分校の校舎を一部移築したもので、外観はとても趣があります。校舎にとっても、こんなにたくさんの人の目に触れることはずいぶん久々だったことでしょう。
公式によると、「単に移築物として昔のノスタルジーを味わうのではなく、建築に刻まれた時間を少しずつ丁寧に分解した上で、新しい建築に生まれ変わらせることを目指しています」とのこと。


通常内容
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
建物内部
建物内部へは予約枠がとれた方や当日並んだ方が入れます。シアターの席数の上限がありますがまあまあ人数が入れそうです。
入館時にカードを渡され、2階へ。カードにイチョウの印がある人はこの後の対話の候補者ですが、ついていなくてよかったです。
2階に上がったところのドアの横にあるガラスは全部種類が違うのですが、係員の話によるとこれもオリジナルのままなんだとか。




3階にあがるところに河瀨直美氏のメッセージがあるのですが、うすいグレーの文字が背景と同化してとても読めません。
上のフロアには400年杉板スピーカーなるものがあり、板の共鳴で音が鳴るスピーカーになっています。


対話
時間になったというのでシアターに向かいます。ここからは撮影禁止。劇場のようにステージがあり椅子が並んでいます。ここで対話者の一人がシアターの階段を下りてステージに上がり、正面のスクリーンに高精細で映し出されるもうひとりの対話者と与太話を繰り広げます。
今回は「これまで出会った最も美しいもの」というお題ですが、若い男女が夢(睡眠時、将来の両方)について話していました。
特に話の解決がなくただ延々しゃべっているだけなので、話を聞いて自分ならどうだろう?と考えられる内容でないと非常に退屈だと思われます。そして、時間が来ると話の途中で強制終了されます。
男性が一生懸命隙間を埋めようとしていて若干の合コン感があり、ある意味「いのちのあかし」なのかもしれません。
エンディングムービー
その後、何の脈絡もなくアフガニスタンの女性の映像になり、タリバン下では表現できないからイランで俳優やりたいと涙ながらに話すVTRが流れました。
ムービーは6種類あり、どれが流れるかはタイミング次第とのこと。
あらゆる視点で分断が多い世界で対話によって解決を試みるという趣旨らしいのですが、対話の後に分断の映像で終わることになりました。
ドキュメンタリー映像
午前中の早い時間のみドキュメンタリー映像を上映するだけの回があります。
参加したときは、「記憶の移築」「屋根裏の記憶」「銀杏の記憶」の3本を一気見するもので、1時間弱の拘束、途中退出不可です。いずれも撮影禁止(スマホを使うこと自体禁止=他の当日登録を探すのは不可です)。
パビリオンの内容はクリックで開きます。ネタバレ注意!
記憶の移築
十津川村の中学校の移築の話でした。
冒頭に出てくる写真は、建物をあがる階段の前にあったものでした。
移築にあたり安全祈願の神事、学校を建てた大工の孫や移築にあたっての村人のコメント、建設会社の方々の苦労などを織り交ぜながら、感覚的な進行で映像が進んでいきます。
もともと2階建てだったものを3階建てにしてエレベーターをつけるという課題や、古い建物のため柱がゆがんでいたりして隙間が空いているがそれは図面にはないからどうするかなど、次々と困難があったようです。
パビリオンがどのようにつくられていったかがわかっておもしろかったです。
屋根裏の記憶
移築にあたり、1992年に15歳だった生徒の手紙が発見されました。
学校の課題で30年後の自分に手紙を書いたもののようですが、その方は残念ながら難病ですでに亡くなっていました。
その母親に発見された手紙を渡すと、神様のめぐりあわせと言って泣き出してしまいます。
銀杏の記憶
こちらは福知山の話。切られる予定だった銀杏の木は万博会場へ移されることになりました。
こちらでも安全祈願の神事を行い、夜の間にトラックで会場へ。
建設中の建物の近くに植えるので、安全面から少しピリついたりしますが、最後は無事に作業が終わります。
校舎の人の思いと、運んだ人の思いを木は見てきたということでした。
外観だけでも一回は見ておきたいパビリオン。周辺の植栽と相まってとても風情があります。
肝心のパビリオンですが、来場者の話を舞台で見せようというのはいかにも演劇業界の人の発想で斬新です。
ただ、他の回に参加した方の話では案の定当たり外れが大きいようで、対話のどちらかはある程度慣れている人でないとパビリオンとしての成功は難しいのではと思いました。また、全編日本語なのですが、外国の方にはどうなのでしょう。万博でやるべきことなのかは疑問です。
アフガン女性のVTRもありますが、Women’sパビリオンあたりでカバーできる内容でした。
テーマの「いのちを守る」は趣旨としてはよいのですが、体験だけではよくわかりませんでした。対話のお題がエンディングムービーに関連していないのがわかりにくい原因な気もしますが、それもまた芸術と言えばよいのでしょうか。
朝のドキュメンタリー映像は、建物や植栽の経緯がわかり一見の価値があると思いましたが、Youtubeなどで見ても問題ないものでした。しかも9時入場できたら他のところ回りたいですよね・・・。
移築に関しては、これを機に技術が発展してヨーロッパのようにファサードだけでも安価に残せるようになったらいいなと思いました。
まとめ
勝手に星を付けてみました。あくまで個人的な印象です。
パビリオン | おすすめ度(5段階) |
Better Co-Being | ★★ (個人的には★★★★) 夜は★★★★ |
いのちの未来 | ★★★★★ |
いのちの遊び場 クラゲ館 | ★★★ |
null² | ★★★★ |
いのち動的平衡館 | ★★★ |
いのちめぐる冒険 超時空シアター | ★★★ |
いのちめぐる冒険 ANIMA! | ★★★ |
いのちめぐる冒険 宇宙の窓 | ★★★ |
EARTH MART | ★★★★★ |
Dialogue Theater -いのちのあかし- | ★ 外観は★★★★★、ドキュメンタリー映像は★★★ |
万博に来られる日数が少ない場合は、個人的に「いのちの未来」「EARTH MART」がおすすめです。