旅行日:2024/9
ベネズエラ旅行の観光情報と注意点
ベネズエラ旅行を計画する際には、観光地やシーズン選びのほか、治安情報をしっかり把握することが大切です。これらを理解すれば、素晴らしい体験を最大限に楽しむことができます。
そうは言っても個人旅行者が少なく情報があまりなかったので、ここでは2024年9月に実際にベネズエラを旅行した経験をもとに感じた点や注意点などをまとめました。
ベネズエラの観光地
ベネズエラには多くの魅力的な観光地があります。
まずは、世界最大の滝であるエンジェルフォール。その壮大な見た目だけでなく、周囲にはテーブルマウンテンがあり、美しい自然はとても素晴らしいです。また、圧倒的な自然の美しさで知られるギアナ高地では特にロライマ山のトレッキングが人気です。
首都カラカスは英雄「シモン・ボリバル」ゆかりの地として歴史的な見どころが多いです。カルバリオという丘にある公園からの景色も素晴らしいです。また、世界遺産に登録されているカラカス大学や、ロープウェーでのぼったところにあるガリパン地区からの景色も美しいです。
今回は訪問しませんでしたが、木組みの家が美しいコロニア・トバル、カリブ海が美しいロス・ロケス、アンデス山脈にあるメリダも有名な観光地です。
エンジェルフォールだけで4~5日程度(フライトスケジュールによる)、カラカスは最低2日必要です。他の場所にも行く場合は一週間では足りません!
ベネズエラ旅行のシーズン選び
ベネズエラは熱帯地域に位置し、気候は湿気が多く暑いです。旅行のベストシーズンは、主に乾季となる12月から4月です。特に、ギアナ高地のトレッキングや首都カラカスはこの時期が最も楽しめるでしょう。
エンジェルフォールは逆に雨季、それも終わりとなる7月から10月ごろがよいと言われます。この時期はエンジェルフォールの水量が多くなり迫力があります。また、滝に向かうときは川をボートで移動しますが、乾季だと水量が少なくなり移動に支障が出る可能性があるといいます。乾季が近いのでずっと雨というわけではなく、エンジェルフォールを見られる確率もあります。
ベネズエラは危険?治安について
治安に関しては場所によって大きく異なる印象でした。
カナイマについては飛行機以外でのアクセス方法がなく、観光客とホテルと少数の地元住民しかいませんので、治安の心配はまずないでしょう。
首都カラカスの場合、残念ながら安心できるとは言えません。日中であれば観光名所は概ね問題なく歩けるでしょう。夜間は特に安全性の高い地域で、暗くない人通りのある道路を短い時間歩く分には問題が起こる可能性は低いと思います。
ただし、人がいる場合でもひったくりなどは起こりえますので、外でゆっくり過ごすことなどはおすすめできません。また、観光スポットのすぐ近くが治安の非常に悪いエリアということがありました。最近現地での米ドルの使用に伴って犯罪者が戻ってきているという話も聞きます。政治的にもトラブルがあり、急速に治安が悪化する可能性も否定できませんので、個人で行く場合は最新の状況を事前にリサーチすることが重要です。
2023年には治安状況がかなり回復し、2024年に訪問した際はいくつか気を付ける点を守れば問題なく観光できそうな雰囲気でした。空港とホテルはホテルの送迎や旅行会社の送迎サービスを利用する、離れた観光地と観光地はホテルタクシーや配車アプリで移動する(歩かない)、観光エリアからは離れない、貴重品を持ち歩かないといった基本的なことを守ればトラブルに巻き込まれる可能性は減ります。体感的にはコロンビアのボゴタよりちょっと悪いかも?という感じでした。
ベネズエラの通貨は?
公式の通貨は「ボリバル」です。Bs.と略されます。2021年から「ボリバル・デジタル」とよばれる紙幣が流通しており、5, 10, 20, 50, 100, 200, 500ボリバル紙幣が発行されています。
5ボリバルより低い金額は旧紙幣の「ボリバル・ソベラノ」が使われます。ボリバル・デジタル発行時に100万ソベラノが1デジタルに置き換わったため(デノミネーション)、現在の1ボリバルは100万ボリバル・ソベラノ紙幣が使われています。ソベラノ紙幣は額面1万以上が有効であり、50万ソベラノ紙幣2枚で払っても問題ありません。
実際はほとんどのケースで米ドルが使われています。値札に「REF」(Reference price=参考価格)と書かれているのが米ドル料金です(一応米ドルは非公式なので「ご参考までに」という建前)。観光では米ドル紙幣があればよく、ボリバル・デジタルへの両替は不要です。米ドルの小額紙幣を中心に持って行きましょう。
クレジットカードも外国人観光客が泊まるようなホテルであればVISA、mastercardが通用するところが多いです。配車アプリではクレジットカード払いも可能です。クレジットカードで払う場合は米ドル建の値札であっても、ボリバル建になることがあります。一部のホテルなどでは他の国(アメリカ、パナマなど)の所在などにして米ドル建(またはパナマ・バルボアなど米ドルと等価の外貨)で支払う場合もあります。
どうしてもボリバル・デジタルが必要な場合は逆に困ってしまいます。観光客が両替できる場所はほとんどありません。空港に両替所はありますが、米ドルからの両替は受け付けていませんでした。ホテルも両替不可、町中の両替所でもだめと言われ、かなり難しい印象です。結局なんとか両替してもらえましたが、指紋を取ったり書類記入が多く、待ち時間はなかったのに少額でも1時間ほどかかりました。
旅行の準備をしよう!
■航空機
ベネズエラは国際的立場から飛行機の国際線のルートがかなり限られています。北米経由が距離的には近いのですが、日本からはイスタンブール(ターキッシュエアラインズ、最短1回乗換。ハバナ経由の場合あり)、マドリード(イベリア航空、最短1回乗換)が主なルートです。北米都市→ボゴタ(コロンビア)またはポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)もよいでしょう。パナマも主なルートですが、2024年には大統領選挙後の経緯があり一時的にベネズエラ政府がコパ航空を飛行禁止にしました。
■ホテル
カナイマについては治安が保たれているので好みの宿でいいでしょう。エクスカーションやカラカスからの航空券の予約が可能な宿があるので、予約する前によく検討しましょう。事前にツアーの内容や条件をしっかり確認することが大切です。ホテルに直接予約したのですが、ベネズエラの経済的状況により米国の銀行宛に銀行送金になりました。こうした場合は送金アプリwiseなどを使って送金コストを少なくしましょう。
カラカスは治安状況のよい地域にある評判の良いホテルを探しましょう。空港送迎があるかも検討事項に入れてください。
■現地ツアー
カナイマについては宿で予約するか、旅行会社Osprey Expeditionsのツアーに参加するのが主な方法です。Osprey Expeditionsは首都カラカスの市内ツアー(英語ガイド)を用意しています。
ベネズエラではホテルの一部のスタッフを除き、英語を話す人を見つけることすら大変です。スペイン語が分からない場合は、ツアーで英語ガイドと一緒に観光することも検討してください。
■持ち物
虫よけは必須!
虫よけ以外は、カラカス市内の場合は通常の海外旅行とほとんど変わりません。
カナイマ国立公園の場合は相応の装備が必要です。エンジェルフォールに行ってきた際の荷物は旅行記でご紹介しています。滑りにくいマリンシューズと汚れてもいい(捨ててもいい?)靴下、ウォータープルーフバッグは必須です。
ベネズエラ旅行記
最後に、2024年に実際に訪問した際の旅行記をリンクします。
カナイマ国立公園旅行記
カラカス旅行記
ベネズエラ旅行を楽しもう!
治安に懸念があり一人での町歩きはおすすめできませんが、ツアーを利用することでより安全にベネズエラ旅行を楽しむことができます。また、地元の事情をよく知るガイドと一緒であれば、おすすめの観光スポットやレストランなどを聞くことができます。
楽しく安全な旅行にして、ベネズエラでの思い出をたくさん作りましょう!