旅行日:2024/11/11(月) ※本文中の値段は訪問当時のものです。
国境へ
西サハラのダクラからモーリタニアの首都ヌアクショットへ大移動。
前日に予約していたシェアタクシーは、ホテルSur Mer7時ピックアップのところ6:50にやってきました。早く来るとは・・・!
その後ホテル・サハラ前で停車し、他の人や荷物を載せて7:20に出発。ドライバーと5人の乗客でモーリタニアを目指します。


【西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)】
スペイン領サハラだったが、1976年からモーリタニアとモロッコが分割統治を開始。
同年、西サハラの独立を目指すポリサリオ戦線はアルジェリアの支援によりアルジェリアの首都アルジェで「亡命政権サハラ・アラブ民主共和国」を樹立。
1979年、モーリタニア政府が西サハラ領有権を正式に放棄した一方、モーリタニアが放棄した領域をモロッコ軍が不法占領。
モロッコはモーリタニア国境に沿うように「砂の壁」を築き地雷を埋設することで、現在まで壁の西側を実効支配している。壁の東側はポリサリオ戦線の支配下とされ、国連が監視している。
50近くの国連加盟国が国家承認しているが、日本は未承認。
ダクラは半島の先端にあるのですが、その半島内で2回検問がありました。ドライバーが対応してくれてこちらは何もしませんでした。一回めはお金を探していたようだったのでいくらか払ったのかもしれません。
2回目は警察が乗客に行き先をきいてきました。他のドライバーが何やらいちゃもんをつけたらしく、その解決に20分かかり、8:10本格的に出発となりました。やれやれ。。
しばらく走ると北回帰線のモニュメントがありました。猛スピードで通過するだけで記念撮影などはありません。


9:12 Imliliで検問がありましたがすぐ終了。
10:46-11:00 トイレ休憩。モスク内にあります。2Dh。売店もあります。ここで乗車代金700Dhの支払いをしました。



11:05 ナンバープレートの交換。手慣れており、11:12すぐ出発になりました。
このときまで気付かなかったのですが、手書きのナンバープレートでした。。
12:00 ガソリンスタンド。ガス入れも手際が良くすぐ出発。トイレ休憩のときにできないのかとか言ってはいけません。こっちの方が安いのかな?
12:05すぎ、国境に到着しました。ここまで道はとてもよかったです。土地の支配にはいい道が必要ということを実感します。
国境ではまず入国スタンプのチェックがありました。イミグレはスムーズで12:21通過。出国スタンプをもらいます。メモを残していなかったのですが、出国カードの類はなく、職業を聞かれた気がします。普通は窓越しで手続き終了みたいなのですが、スタンプをもらった後部屋に入れと言われ、雑談に付き合わされました。ゆるくてまあいいですが・・・。
12:45 審査エリアを出たところの建物でパスポートを預けてパスポートスタンプのチェックを受けました。ゲート外から見ると、建物には「المملكة المغربية」「المعبر الحدودي الكركرات」(モロッコ王国エル・ゲルゲラート国境検問所)と書かれており、モロッコの実効支配を改めて感じることができます。


西サハラの緩衝地帯
ここで西サハラ地域のモロッコ実効支配エリアは終了。モーリタニア国境までの緩衝地帯4kmは真の西サハラともいえます。
緩衝地帯4kmは地雷原でもあり、地雷に注意の看板があります。地雷を踏んで爆破された車の残骸がごろごろとあったようなのですが、訪問時はなくなっていました。
また、モロッコのイミグレに沿って「砂の壁」が見えます。道はガタガタですが、舗装されていた形跡は感じられます。



モーリタニア入国
あっという間にモーリタニア側国境に到着。時差があるため一時間戻って11:55です。
到着してすぐ両替の輩が声をかけてきましたが一旦流します。
ちなみにモーリタニアの大使館は日本にもありますがビザ発給をしておらず、国境または空港でアライバル取得でした(2024年11月時点)。2025年よりeビザに変わっていますのでプロセスは変更になっていると思われます。
【モーリタニア】
世界遺産に登録されているシンゲッティ、ワダン、ティシット、ワラタの隊商都市は、マリ国境に近いKoumbi Salehを首都とするガーナ王国時代に繁栄。ガーナ王国滅亡後の12世紀ごろ、シンゲッティ王国はメッカの巡礼地の出発点となり、イスラムの学者、学生、宗教関係者などが集まるようになります。ワダンは金や塩の中継地として栄えますが、交易路の変更でその後衰退。
19世紀にフランスが進出してきて、フランス領西アフリカに含められます。
1960年に独立。以後、たびたびクーデターを経ながら現在に至ります。
日本との関係では、特に元国際協力事業団(現JICA)の中村正明氏が現地でタコ漁を指導したことで、現在もタコの重要な輸出先となっています。ただしタコはモーリタニアでは消費されません。
12:15 ゲートから入って左にある建物(Poste de Controle Checkpointだったような?違っていたら情報をお願いします・・・!)へ移動してパスポートの情報を確認。
行程、出国ポイントを聞かれました。その間にも両替輩が営業にきますがふたたび丁重にお断り。
続いて車に戻って別棟に移動。Bureau de Formalitéと書かれた狭い部屋で、入口もとても狭く、多数の入国希望者がドアの外に群がって中をのぞいています。ドライバーにパスポートを預け、乗客分まとめてパスポートを提示していましたが何をしたのかは未確認。この時点ではスタンプはおされていませんでした。このプロセスが必要なのかは不明です。。
また違う別棟へいき、指紋と写真をとります。ここでビザ代EUR55支払い。5ユーロ紙幣の束はありましたが、お釣りはないと言われてしまうかもしれないので、ぴったりを用意した方が無難。
米ドルで払えるという情報もありましたが、訪問時は受付けていませんでした。すでに持っていればウギア(モーリタニアの通貨)支払はできそうでした。同乗者の話ではディルハム払いもできるらしいのですが、値段を含め詳細は不明です。
ビザはステッカーを印刷してその場ではりつけてくれます。ビザの写真はここで撮ったものです。

またBureau de Formalitéに戻って、今度は自分でパスポートを渡して入国スタンプをもらいます。
すでに書いたように入口が狭いうえ人が群がっているため強引に入らないとだめ。同乗者からスタンプをもらうのに100ウギア必要と聞いたので、同乗者に借りて払おうとしましたが不要でした。今や西アフリカでは外国人への賄賂要求はほとんどなくなっていますが依然地元民には残っており、もしかしたらそういうことかもしれません。
13:00 ようやく無事スタンプゲットです!ふぅ。

他の人のスタンプを待っている間両替してみると、MAD40→MRU155になりました。この日はMAD/MRU=3.83なので、たまたまだと思いますがかなりいいレートでした。
また、水はここで買っておいた方がいいと思います。この後買える場所はヌアディブまでありません。
食事をする時間はありませんでした。確かに食事より先を急いだほうがよいです。
モーリタニアの通貨はウギア(MRU)。
2017年に10分の1にデノミがあり、紙幣もコインも切り替わっています。
旧ウギアは使えないうえ銀行での交換期間も過ぎているので、両替時にはデノミ前の旧ウギア(MRO)になっていないか確認を。


13:25 国境を出発。ここでクーラーが入りました。ありがたい!
アイアントレイン
【アイアントレイン】
モーリタニア鉄道の通称。アイアン・トレイン=鉄の鉄道というのは、鉱山があるZouerate周辺からヌアディブ港まで鉄鉱石を運んでいることに由来します。ごく短い区間ですが、西サハラのポリサリオ戦線支配地域を通過します(並走する道路も同様)。
車両は200両以上連結され、列車は全長3kmに及び、世界最長・最重量級の列車ともいわれます。客車は1車両のみですが、貨車に乗って鉄鉱石とともに移動する人も見かけられます。

国境出てすぐ、アイアントレイン(モーリタニア鉄道)がちょうど通過!素晴らしいタイミングでした。
よく見ると貨車の上に乗っている人がいました。現在は外国人が貨車乗車することは禁止されています。野ざらしなので過酷な移動と思われます・・・。
これに乗りたい場合はヌアディブに行くことになりますが、この後の旅が長いため健康を考えて(!?)今回はパス。




その後検問2回ありましたが、何事もなくすぐ通過。音楽もかかってかなり快適です。
車では外は37度という表示がでてましたが、正確かどうかわかりませんが本当に暑い!
道中は砂漠の中の一本道で景色は単調です。舗装はされているものの穴を補修した跡などがあって、国境を越えて少しグレードダウンしたような感じ。



道路の西側のずっと先は世界遺産バン・ダルガン国立公園が広がります。渡り鳥の生息地で、貴重な魚類や海生哺乳類も生息しており、鳥や動物の撮影旅行にはいいかもしれません。車窓からはさすがに観察できず、砂漠の向こうにせいぜい木々の蜃気楼が見える程度でした。
15:29 やっと町らしい町が出てきました。Shamiと思われます。あっさり通過。
検問も2回ありましたが、挨拶程度でした。



16:00 今回の検問はパスポート提示を要求されました。
が、ものの5分で解放されました。


17:57 お祈り休憩になりました。特にお祈りはしないため、飲み物休憩にしました。
冷たい缶ジュースは30ウギア、常温の水は10ウギアでした。冷たい水はありませんでした・・・。
ジュースは一気飲み!熱中症になりそうだったので助かります。




道路の向かいはペットボトルだらけ。買ってすぐ飲んで捨てていくからでしょうか。

その後4回検問がありましたが、いずれも挨拶程度でした。
ヌアクショット
18:51 モーリタニアの首都ヌアクショットです。
途中、ホテルの近くを通過したので教えたのですが停まってくれず、市内のだいぶ南で下車することに。
車が停まるとこどもが窓越しに物乞いしてきます。窓をしめてドアロック。相当しつこいです。
当初ホテルまで行ってくれるという話だったし、暗くなってきてしまったので、あえてここでは降りませんでした。降りたらここで降りるのかい、さようなら(=あとは各自で)という展開になることは自明です。
しばらく乗りっぱなしでいたら、ドライバーからタクシーに乗り換えてホテルに行ってくれという話に。追加料金もなく、ホテルに行けそうです。


19:06 無事ホテル到着しました。かなり順調で、事前の話と違うこともなく、19時に到着できたことに驚きです。
今回宿泊したのはSunset Hotel。フロントは親切で英語も話してくれました。
部屋は狭く、ベッドはウレタン、エアコンは切れていましたが暖かかったです。
シャワーは水圧そこそこ、お湯は出ました。シャンプー、バスフォーム、ボディローション、石鹸は使い捨てタイプ。足ふきタオルなし。ドライヤーは風量弱め。
トイレはペーパーあり、水圧まあまあ。Wifiはつながりますが弱め。
TV、金庫、可動ハンガー3本、ティッシュあり、水330mlペットボトル×2、冷えない冷蔵庫がありました。



多少キャッシュがいるかなということでATMを探したのですが、ホテルにはなく、ホテルが少し外れにあったせいで市内中心部まで30分かけて歩いてようやく見つけました・・・。
夕食はフランスのベーカリー・カフェ「PAUL」があったので行ってみました。
ハンバーガー250ウギア、スプライト50ウギアでした。
残念ながら味はあのPAULではありません・・・。 別に食べられる味なので、PAULと思わず食べれば問題なし!


強行軍でしたが、無事ダクラからヌアクショットまで1日で到着しました。
翌日からはシンゲッティとワダンへのプライベートツアーです。