モーリタニア旅行(2) アタールとサハラの目

アフリカ
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旅行日:2024/11/12(火)-13(水) ※本文中の値段は訪問当時のものです。

モーリタニアの首都ヌアクショットから3泊4日でワダンとシンゲッティに行きました。
1日目はアタールまで、2日目はワダン近くにあるサハラの目とよばれるゲルブ・アル・リッシャに行ってきました。

ローカルバスでも行けますが、時間と労力節約を買ってプライベートツアーにしました。ただ、モーリタニアのツアーは基本的に高額です。
今回のツアーは、高額な中でもまだマシなTour in Mauritaniaにお願いしました。3泊4日、英語ガイドとドライバーでEUR 1,000でした。レスはかなり早い方で安心感があります。気になることは正直に「不安だ」といいつつ事前に聞いておいた方がいいです。
ガイドのHadrami氏は他に日本人Youtuberをアテンドしたこともあったそうですが、金出してるんだから何でもお願いしていいという態度で印象が良くなかったと話していました。適切な言動を心掛けたいものです。

【モーリタニア】
世界遺産に登録されているシンゲッティ、ワダン、ティシット、ワラタの隊商都市は、マリ国境に近いKoumbi Salehを首都とするガーナ王国時代に繁栄。ガーナ王国滅亡後の12世紀ごろ、シンゲッティ王国はメッカの巡礼地の出発点となり、イスラムの学者、学生、宗教関係者などが集まるようになります。
ワダンは金や塩の中継地として栄えますが、交易路の変更でその後衰退。
19世紀にフランスが進出してきて、フランス領西アフリカに含められます。
1960年に独立。以後、たびたびクーデターを経ながら現在に至ります。

日本との関係では、特に元国際協力事業団(現JICA)の中村正明氏が現地でタコ漁を指導したことで、現在もタコの重要な輸出先となっています。ただしタコはモーリタニアでは消費されません。

ツアー1日目

ヌアクショットを出発

ヌアクショットの朝。市内観光の時間はありませんが、ホテルの部屋からの眺めを楽しみました。

8:00 時間通りにホテルにピックアップがやってきました。すぐに車内でユーロ紙幣でツアー代を支払い。ガイドのHadrami氏がユーロ紙幣を(闇)両替するとのことで、その間にヌアクショットのグランドモスクを見学させてもらいました。

グランドモスクはサウジアラビアが建設したためサウジ・モスクとも呼ばれます。細いミナレットが印象的。
敷地内を歩いていた数少ない人に聞いてみても中の見学はできないという感じだったので、敷地の外からの撮影にとどめました。

8:33 ヌアクショット出発です。
道中、ヤギやラクダなどを眺めながら進みます。砂漠のような場所もありますがほとんどが草原でした。
また、検問が多く、パスポートのコピーを提示または渡す必要があります。ガイドが準備したコピーにはパスポートの写真ページ、ガイド名と連絡先、旅程(都市名)が書いてありました。

12:11 玄武岩がごろごろするエリアにやってきました。ここの岩陰でランチ休憩とのこと。ここまで検問は6回、うちコピーを渡したのが2回でした。

ランチはヤギ肉のご飯。なんというか、油っぽかったです。
ガイドは現地ではアタヤというお茶を準備していたのですが、ドライバーとは飲んでいるもののこちらにはくれない様子。外国人は普通「汚い」とか言って飲まないからいらないかと思ってた、と言っていました。飲みたいというとわざわざ淹れなおしてくれました。なんかすみません・・・。
苦味と甘さが同時にきて美味しい!なんと中国のお茶を使っていました。中国のお茶なのでそりゃ日本人には合うはずですね。

食事が終わると周囲は風もなく無音に包まれました。日陰にいれば過ごしやすく、しばし贅沢な時間。

13:51 ちょうど出発するころ、ドイツ人御一行様がやってきました。急ににぎやかになり、贅沢時間も終了。彼らはテーブルセッティングをしていました。ヨーロッパという感じ!

しばらく走るとラクダが歩いていたのでフォトストップしてもらいました。
たくさん並んで歩いていたのですが撮り時を逸失。でも道路を歩くラクダや向かい合うラクダたちなど撮れました。
写真を撮るため数分歩いただけでしたが暑すぎ!
車内のクーラーと窓の日よけフィルターのありがたさを実感。フィルターは走りながら外の写真を撮るときには不便ですが、そうもいっていられません。

Aïn Ehel Tayaの町には川が流れていました。このあたりでアタール方面とテルジット方面に分かれます。行きはアタール方面に向かい、帰りはテルジットから帰ってくるようです。
アタール方面に進むと急な坂があり、丘を登ったところにダムがみえるビューポイントがあります。
周辺は玄武岩で、かつて火山があったというのが信じられません。

ここまで検問は4回ありました。うちコピーを渡したのが3回、1回は窓をあけることもなく通過でした。
道路については、所々穴を補修した跡や凸凹しているものの、舗装状態ずっとよかったです。

アタール

16:00すぎ、本日の宿Hôtel L’Etoile du Nordに到着しました。
中庭の向こうに並ぶ小さな建物がそれぞれ客室になっています。
部屋は広く、ベッドはそれなりの硬さ。シャワーの水圧はまあまあ、ボイラーがありお湯はぬるいものの一応出ます。大きな石鹸が1つあるのみなので、シャンプーなどは要持参。仕切りはなく、足ふきタオルもありません。
テレビ、エアコン、冷える冷蔵庫、可動ハンガー3本あり。トイレはペーパーあり、シャワー付でした。
Wifiはあるようですがパスワードを教えてくれませんでした。ドライヤー、ペットボトルの水、スリッパなどはありません。

18:00までフリータイムというので、隣の商店にお出かけしてみました。
マウンテンデューがあったので飲んでみますが、薬みたいでおいしくはない・・・。オリジナルテイストとは違うような気がします。缶を読むとサウジ製でした。250ml、MRU30。

ホテルに戻るとアタヤをいれてくれました。
とてもありがたいのですが、残念ながら苦くて飲めない・・・お気持ちだけいただきました。

のんびりしつつ18:00ぴったりにピックアップがやってきました。
アタールのマーケットで下車し、少し散策しました。下車時に、人の写真を撮る前に確認するようガイドから言われました。
アタールはヌアクショット、アイアントレインが停まるChoum、西部のシンゲッティへの道が交差する位置にあり、Adrar地方の中心地。かつては冬のみフランスからの直行便があったようです。

下りるなりすぐさま自称ガイドが登場。
子供はカドー、カドー(cadeaux=贈り物=なんかくれ)と言ってきます。
写真は有料だと言ってくる露店の店員。
・・・すべてあしらうのも疲れます。

ロバは段ボールを食べていました。このロバも写真は有料だと言われた気がしますが、適当に流したのかもしれません。

店子の老婆は有料と言ってきましたが、隣にいた若い人は大丈夫お金いらないよと言ってくれたので少し撮影することができました。いい人もいるものです。

北東へ200mほど歩くとマーケットは終わり、広場にでました。ここからマーケットの方を見ると、夕暮れのマジックアワーでとても素敵な感じに!
でも写真を撮っていると、走ってくる子供たちはあからさまに罵声を浴びせてきます・・・。

18:36 マーケットを出発し、18:44 夕食のレストランAuberge Mer et Desertに到着。

鶏肉は味薄めですがおいしかったです。
フレンチフライは芋の味がするが油っぽく、玉ねぎの炒めものも美味しいが油っぽい。
油が気にならなければ、味はおいしいのでおすすめです。
ジュースはたぶんザクロかな。

20:30 レストランを出発し、20:50 ホテルに戻りました。

ツアー2日目

清々しい朝。中庭で朝食をいただきました。

アタールを出発

8:14 ホテルを出発。途中またもラクダの行列に遭遇しました。

さらに急な坂をのぼります。地図を見ているだけではわからなかったのですが、シンゲッティやワダンは思ったより標高が高いところにあるんですね。Googleによるとアタールは270m、シンゲッティは308m、ワダンは407mとのこと。
坂の途中にあるビューポイントへ。ちょうどそこに燃えたトラックが・・・。
先週事故をおこして燃えてしまったようです。ガイドの話によると、ドライバーはなくなってしまい、燃えた眼鏡が残されていました・・・。

この日ももちろん検問があり、すぐ通過できたのが2回と、コピーを渡したのが2回(うち1回はガイドが下車してコピーを渡しに行った)。
道は、出てすぐ工事中でダートを走ることはありましたが、舗装されていて比較的ましでした。

岩絵 Site Rupestre d’Agrour

続いて岩絵エリアに到着。絵が描かれている岩場が二箇所あってそれぞれを見学しました。
専門のガイドがいて、絵についていろいろ説明してくれます。

まず一ヶ所目。正直、いったいどの絵が何を表しているのやら・・・というわけで現地ガイドの説明を少し残しておきます。
6000年前に描かれたというキリン、4500~3000年前の牛、象、アンテロープと牛など、まず動物の絵を見学。
子牛に乳をあげる親牛と女性では、女性は乳をあげるから同時に描かれているようです。
踊っている男二人と女三人の絵では、女の腰がふくらんでるのは健康の証、指や筋肉が描かれていること、手を繋いでいるのがわかる、といった内容。
野生の牛の上に乗ってる男が描かれているものは成人の儀式を表しているとか。
たくさんの牛と犂、キリン二頭と牛四頭、劣化により頭が消えてしまった人の絵については、描かれた理由は不明だが情報共有のためではないかとの説明。
3億年前は一帯は海だったので貝が残っていますが、魚の絵はないとのこと。

少し上って二ヶ所めへ。
こちらは、動物を食べるライオン、さらに古い時代にかかれた手を繋いで踊る二人、穴あけとタネ植えをしている二人、イーグル、タイヤが四つある馬車で戦うシーン(2Dで描かれているのでタイヤ2つだけ)といった絵が見られます。その隣の岩場には太陽と手形がありました。

解説がないとわからないものだらけ!
他にもこのような場所は少なくとも300はあるそうですが、ここを選んだのは「道路に近いから」とのこと。非常に理解できます。

10:26 岩絵を出発したのですが、15分ほどでティータイムに。なかなか先に進みません。味は前日と同じです。

11:07 30分もゆっくりしてようやく出発。
途中車を止めて急にガイドが走り出したのでなんだろうと思ったら、トカゲをつかまえていました。ガイドは食べると美味しいと言うのですが、今回は逃していて食べないようです。

ワダンの宿

そして本日の宿に到着。ワダンにあるAuberge Vasque – Chez Zaidaです。
部屋は広くエアコン付ですが照明が暗め。僻地なので仕方がないです。
硬めウレタン的なベッド。シャワーは水圧強めですが一点集中型、お湯はぬるめのが出ました。仕切り、足ふきタオルはここでもありませんでした。液体石鹸は置いてありましたがほとんどなし。。タオルは小さいものが1枚のみで、バスタオルはありません。
トイレはペーパーあり、シャワー付。Wifiは衛星のものでよくつながりました。
テレビ、ハンガー、冷蔵庫、スリッパはありません。

そのまますぐ昼食になりました。ガイドも含めていただきます。
黄色いのは玉ねぎの甘みが強くて美味しい。ポロポロした米と合わせて食べるようです。
デザートはワダンのデーツ。まさに干し柿の味、食感は羊羹、ざらざらした歯触りがありました。こういう和菓子があったような気もします(ないかもしれませんが)。
ちょっと目を離すと鳥が食べに来ちゃうのもまた一興です(!?)。

しばらくゆっくりして、サハラの目に向かうべく16:00宿を出発。

サハラの目(ゲルブ・アル・リッシャ)

【サハラの目(ゲルブ・アル・リッシャ)】
ワダン近郊に位置する高台の中にある窪地(リシャット構造)。直径40kmで、内部は火成岩が同心円状に露出しており、中央には巨大角礫岩がある。形成理由はわかっていない。
宇宙から見ると目のような形をしているため、サハラの「目」とよばれる。

謎多きサハラの目ですが、直径が大きすぎて「目」は現地ではほとんどわかりません・・・。
右側を見るとカーブがあり、サハラの目の右側なのかな?という感じです。
遊覧飛行がないので、おとなしくGoogle mapの衛星写真をみるしかないのかも。
AT564(FNA-CMN)とかAH5200(ALG-NKC)が近くを通りそうですが、実際に見えるのかは不明です。

こんなところにも観光客目当ての露店が出ていました。こういうのは買わなくても一旦止まって、売り子に挨拶をしながら一通り商品を見て、全然いらないですと言うのが礼儀ですね。
あるブロガーは5米ドルで隕石とされるものを買ったらしいと聞きました。持ち帰れるのかは不明です・・・。

18:25 宿に戻って夕食まで自由時間。宿の目の前にあるワダン旧市街のふもとまで行ってみましたが、暗くなってきたので中には入らず、警備の人と軽くおしゃべりして戻ることにしました。

19:17 宿で夕食。ラクダ肉の煮込みを、小麦と水と塩でできたクレープのようなものにのせていただきます。
モーリタニア料理だとか。美味しかったです。このオーベルジュは食事がおいしくて助かりました。
ガイドと、ラクダ肉は200ウギア/kg、やぎ肉は350ウギア/kg、鶏肉は100ウギア/kg、、などという話をしながらごちそうさま!

翌日はいよいよ世界遺産2連発ワダンとシンゲッティです。

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