西アフリカを旅行しよう!

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旅行日:2024/11, 2025/3

西アフリカとは

ここではモロッコからベナンまでの海沿いの国と島国カーボベルデを対象にします。マリ、ブルキナファソ、ニジェールは割愛します。

この地域は長らく治安が安定しませんでしたがようやく落ち着いてきて、賄賂要求もほとんどなくなり、ビザも多くはeビザやアライバルになり、かなり旅行しやすくなりました。

日本からみた東南アジアのような感じで、ヨーロッパからのパッカーが多い地域です。気候も東南アジアみたいです。治安や町並みは少し刺激的かもしれませんが…。

今のうちに西アフリカを旅行しちゃいましょう!

西アフリカのまわりかた

1.ルート

おそらく最も大事なのはルート決め。これで旅行がうまくいく可能性が(少しは)高まります。

最初に日本、イギリス、フランス、アメリカ、シンガポールの外務省サイトで危険地帯をチェック。各国更新頻度が違うので、最新情報を入手してください。日本の海外安全ページは比較的更新が遅いですが、少なくともチェックしておきましょう。

飛行機は距離の割に高いことが多いです。特にブリュッセル航空、ASKY航空は高額なことが多いように思います。
個人的な印象では、やはり経済が弱いため首都であっても飛行機の値段が出せない人が多く、買う人が少ない上競合も少なくて航空券が高止まりしてしまう、という事情なのかなと思います。
明らかな危険地帯以外は陸路も検討した方がうまく回れます。

飛行機の場合、訪問国の順序はかなり重要。毎日飛んでいないうえ、ギニアより北とシエラレオネから南で関係性が切れている印象です。日程がつまっている場合は、Flightradar24などで検索しpunctualityをチェックした方がよいです。
陸路の場合、シエラレオネ・リベリア間の特にリベリア(モンロビア)が要注意です。

また、ギニアビサウはかなり浮いているので要注意。ビサウ→コナクリは相当距離があり、ビサウ・バンジュール間はセネガル(しかもさして見どころのなさそうなシガンショール)があり、無駄な出入国が発生する上、船移動が面倒です。

移動の方向については、基本的にはモロッコから南下してベナンに向かうのが王道です。西サハラは帰属問題がありますが、モーリタニアから入ってもモロッコで問題になりません(2025年3月時点)。

旅行後に考えた個人的ベストはこのルート。

モロッコ✈︎カーボベルデ✈︎ギニアビサウ✈︎モロッコ✈︎西サハラ→モーリタニア→セネガル→ガンビア✈︎ギニア→シエラレオネ→リベリア✈︎コートジボワール→ガーナ→トーゴ→ベナン

各都市どのくらい滞在するかやどの町に行きたいかによりますが、モロッコを観光しない場合でも4〜5週間程度はかかると思います。ベナンからナイジェリアのラゴスにも抜けられ、さらに東へ進むこともできます。
私はモロッコへはスペインからフェリーで渡りました。この場合は2か月コースです。

2.ビザ

最初の難関はビザ取得です。旅行しながら取得することもできる国が多いですが、日本にいるうちに取っておいた方が絶対無難です。旅行日より逆算してビザ取得のスケジュールを立てましょう。

ありがたいことにほとんどの国がeビザやアライバルになったためかなり楽になりました。ただしeビザは送られてきたら紙への印刷が必要です。また、ビザ申請には日本からの往復航空券、ホテル予約、全体の旅程表、イエローカードが必要なことがあります。

いずれも短期旅行の前提です。(2025年3月時点)

モロッコ不要
西サハラ不要
モーリタニアアライバル(西サハラ国境も可)
セネガル不要
ガンビア東京のセネガル大使館(要アポ、簡単)
ギニアビサウアライバル
ギニアevisa→空港で取得
シエラレオネアライバル
リベリア東京の大使館(所要七日、公式サイト記載の書類が大雑把でわかりにくくやや面倒)
コートジボワール空路はevisa→空港でビザ取得
陸路の場合は大使館で取得になるがかなり面倒らしい
ガーナネットで書類作成→居住国の大使館で取得(火→木か木→火、やや面倒)
トーゴアライバル(Voyager Togoはeビザ申請のみに使い、陸路出入国時は特に何もしなかったが問題なかった)
ベナンevisa(出国時にも紙が必要)

3.予防接種

①黄熱

イエローカードは必須!検疫所や一部のクリニックしか取扱いがないため、行くと決めたらすぐ問い合わせて、相応の時期(クリニックによる)に予約しておく必要があります。一度受ければ生涯有効で、今回取り扱う国でも同様の扱いです。かつては10年有効だったため、10年以内接種でないと入国時の書類としては不適格とする国もありますが、ここで対象にしている国にはありません(2025年)。

②その他は任意です。

一部の国で髄膜炎の接種証明がないと難癖をつけて金を巻き上げようとしていたようですが、訪問時にはそうした言動はありませんでした。

A型肝炎、腸チフス、破傷風、風疹・麻疹あたりはアフリカに関係なくおすすめです。

4.特別な持ち物

①蚊の対策グッズ
虫除けクリーム、虫除け剤入りウェットティッシュ、空間用スプレー、たためる蚊帳、インセクトシールドのシーツはいつも持っていっています。
宿の部屋に入ったら空間スプレーをまき、シャワー後は心配なら虫除けウェットティッシュで首や耳周りなどを拭き、ベッドは蚊帳とシーツを組み合わせ、部屋から出る時は虫除けクリームを塗ればだいたい大丈夫です。靴下が短い場合、長ズボンでもたまに蚊が入ってくるので足首に塗っておくのをおすすめします。

②日焼け対策グッズ
紫外線が尋常ではないので、日焼け止め、サングラス、帽子は必須です。首や耳周り、手は忘れがち。
蒸し暑いですが、基本は通気性の良い長袖を着るのが良いでしょう。

③配車アプリとSIM
悪質タクシードライバーは顔も見たくありませんが、配車アプリがあればその必要もなくなります。各国でアプリが違いますが要領は同じです。SMS認証の関係で、必要なアプリは日本にいるうちに全部入れておきましょう。また使用にはネットが必要なので、数カ国まとめて使えるeSIMかポケットwifiがあると便利。
クレカ登録もしておきますが、現金でないと受け入れないドライバーが多い地区もあるので、臨機応変な対応が求められます。また、大都市でないとドライバーがいないことがほとんどです。

④非常食
移動の際、想定を超えて時間ロスするような場合があるので、予め非常食や飲み物を準備した方がよいです。大都市は概ね問題ないですが、スーパーとはいえ食べられそうなものを売っていない町もあります。また、通常クーラーはつかないので熱中症のようになることもあります。いざという時のお守りとして、少しだけ日本からバー的な食事やスポーツドリンクの粉末があるとよいと思います。

5.旅行の注意点

①公務員の金品要求
問題なのがイミグレや空港職員、警察官といった公務員です。かつては公務員による賄賂要求(英語でextortion)が横行していたようで、ギニアのコナクリ空港には「賄賂街道」なる通路もあったほど。命名した方センスあります。
現在ではほとんどなくなり、2024年の旅行で簡単なものが数回あっただけでした。税関やセキュリティチェックのときに荷物やお金を盗まれないように念のため注意が必要です。
また、出入国にあたって金くれマン(ウーマン、ガキの場合もある)がよく発生するので、不用意に話したりついていかないようにしましょう。親切心で教えてあげるほどみんな余裕ありません。公務員よりむしろこちらの方が問題な気がします。

②写真撮影
初めてアフリカに行くと、黒人だらけだし、頭に物を乗せて歩いているし、マーケットは賑やかだし…と写真を撮りたくなりますが、基本的に人は撮らない方が無難です。マーケットの売り物も撮っていいか聞いた方がよいです。
おもしろいビルだなと思ったら公官庁だったという場合もあります。人にしろ建造物にしろ、ひどいときは警察沙汰になってしまうので十分注意が必要です。
また、カメラやスマホをぶら下げて外出するのはほとんどの場合問題です。治安の問題のほか、空港やイミグレの職員などが「ジャーナリストが禁止されたものを撮影したに違いない」と妄想して勝手に問題化する可能性があるためしまっておきましょう。

③時間は読めません
陸路移動でお世話になるシェアタクシーやバスは、満席になったら出発なのでいつになるかわかりません。時刻表があるバスは、中には時刻通り運行しているものもありますが、多くは時刻表通りではありません。
ブログなどで◯時間とか書かれていてもそれは一例にすぎず、工事・ブロック・検問などでプラス数時間というケースもありました。レストランやカフェでは注文してから出てくるまで一時間とか良くあります。
行程を組む時はゆとりが必要です。

④水
水道水は当然飲まない方がいいです。歯磨きに関しては、そのときの体調次第なところもあると思うのですが、できる限りペットボトルの水を使った方が無難です。

⑤ベストシーズン
ベストシーズンは乾季の11月〜3月ごろ。噂によると乾季は雨季より蚊が少ないらしく病気のリスクを減らせたり、衛生面や旅行の進行においても問題が少ないと思います。
もう一つ気にする点はラマダン。基本的にシエラレオネからベナンにかけてはキリスト教が主な地域なのであまり気にしなくてもよいですが、モロッコからギニアにかけてはイスラム教が主体なので、旅行に支障がでる可能性があります。ラマダンといっても我々旅行者が断食をする必要はなく、都市型ホテルでは実際はほとんど何も影響ありません。

⑥治安
まず、個人で行く場合は最新の状況を事前にリサーチすることが重要です。
ルートを組むときにすでに退避エリアは避けていると思いますが、退避不要なエリア内がすべて安全ということはほぼなく、エリアにより全然違うのが普通です。安全エリアの道一本隣が超危険というケースもあります。特に移動の拠点となる鉄道駅やバスターミナル・タクシー乗り場などはカオスになりがちで、訳の分からない輩が全方位からやってくるため、相当高い程度の注意が必要です。例えばコートジボワールの都市アビジャンのアジャメ・バスターミナル、リベリアの首都モンロビアのドゥアラ・タクシーパークは徒歩禁止レベルです。
日中は安全とされるエリアでも、夜間は徒歩の外出は避け、どうしても外出が必要な場合は配車アプリやホテルタクシーを使いましょう。

⑦eビザ・予約証明などの紙の印刷物
eビザが導入されたといっても印刷した紙が必要です。eチケット控、ホテル予約確認も2アップ・両面でいいので印刷しておきましょう。日本もまだまだ紙の文化ですが、西アフリカはさらに紙文化です。

6.西アフリカの通貨

通常は国により通貨は異なりますが、西アフリカでは複数の国が「CFAフラン」を採用しています。旅行者としてはいちいち両替しなくてよいのがありがたいところです。
一方で主にインフレによる通貨の急落でデノミネーションを実施した国もあり、旧紙幣をつかまされたり、デノミ前の金額をふっかけられないよう注意が必要です。

リストに簡単にまとめました。「※補助通貨使用しない」とは、補助通貨の有無にかかわらず実際は機能していないものを意味します。

国・地域通貨(日・英)ISO 4217備考
モロッコ
西サハラ
モロッコ・ディルハム
Moroccan dirham
1/100 santim
MAD
モーリタニアモーリタニア・ウギア
Mauritanian ouguiya
1/5 khoums
MRU
(デノミ前はMRO)
2017年に1/10デノミ
セネガル
ガンビア
ギニアビサウ
コートジボワール
トーゴ
ベナン
(ここでは扱わないマリ、ブルキナファソ、ニジェールも採用)
セーファー・フラン
CFA franc
※補助通貨使用しない
XOF中央アフリカが採用するCFAフラン(XAF)とは紙幣もコインも別。
将来的に新通貨Ecoに置き換え予定。
ギニアギニア・フラン
Guinean franc
※補助通貨使用しない
GNF
シエラレオネシエラレオネ・レオン
Sierra Leonean leone
※補助通貨使用しない
SLE(デノミ前はSLL)2022年に1/1,000デノミ
リベリアリベリア・ドル
Liberianライベリアン dollar
※補助通貨使用しない
LRD
ガーナガーナ・セディ
Ghanaian cedi
1/100 単prese,複pesewas
GHS2007年に1/10,000デノミ

どの国でもATMがあり、信頼できそうなATMを探してキャッシングをするのが一番簡単な調達方法です。陸路国境越えの場合は必ず両替商がいるので心配いりません。レートを事前に調べて交渉すればOKです。

クレジットカードは大都市の一部の高級ホテル、レストラン、スーパーマーケットで使えました。配車アプリもカード決済が可能です(現金でないとドライバーがなかなかつかまらないという話は別です)。バス、シェアタクシー、バイタク、博物館や遺跡などの入場料、マーケットでの買い物、特別な時のチップなど、基本的に現金社会です。

7.各国の主な見どころ

おすすめの国はモロッコ、モーリタニア、セネガル、コートジボワール、ガーナ、ベナンです。

見どころといっても、有名観光地(ピラミッド、万里の長城、マチュピチュ、グランドキャニオン)のようなインパクトあるものはほとんどなく、こぢんまりとした暗いものが多くてがっかりすることもあるかもしれません。

セネガルからベナンにかけては奴隷貿易関連の見どころが続くので、やや食傷気味になることもあるでしょう。いくつかに絞る場合は、ゴレ島(セネガルのダカール)、ケープコースト城(ガーナ)がおすすめです。

ガイドブックはモロッコは地球の歩き方、西サハラ以南はLonely Planetとbradtがよいと思います。

西アフリカ旅行記

最後に実際に訪問した際の旅行記をリンクします。

スペイン~モロッコ旅行記 (2019年)

スペインからフェリーで!モロッコ8都市縦断9日間

(スピンオフ)
シャウエンで青カワ(・∀・)イイ!景色探し
フェズ メディナさんぽ
ヴォルビリス遺跡とムーレイ・イドリス

モロッコ・西サハラ旅行記 (2024年)

★制作中!

モーリタニア旅行記 (2024年)

★制作中!

セネガル旅行記 (2024年)

★制作中!

カーボベルデ旅行記 (2019年)

カーボ・ヴェルデ旅行(1)首都プライアと世界遺産シダーデ・ヴェーリャ

カーボ・ヴェルデ旅行(2)セザリア・エヴォラの歌声とミンデロ

カーボ・ヴェルデ旅行(3)ワイルドな自然を探訪!サント・アンタン島

ガンビア旅行記 (2024年)

★制作中!

ギニアビサウ旅行記 (2024年)

★制作中!

ギニア旅行記 (2024年)

★制作中!

シエラレオネ旅行記 (2024年)

★制作中!

リベリア旅行記 (2024年)

★制作中!

コートジボワール旅行記 (2025年)

★制作中!

ガーナ旅行記 (2025年)

★制作中!

トーゴ旅行記 (2025年)

★制作中!

ベナン旅行記 (2025年)

西アフリカ旅行を楽しもう!

気をつけながら、治安がよくなった西アフリカ沿岸地域を楽しみましょう!

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